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御供所神事

2021年11月24日

八尾市指定無形民俗文化財第1号に指定。
秋季例祭の特殊神饌を調整する神事です。

奉仕者
奉仕する13軒の家は代々世襲されており、『御供所講』と呼ばれています。
元来、秋祭り(卯辰祭)の供饌を調製するのはこの13軒の男子に限っていますが近年では、責任役員をはじめ運営委員会・氏子総代の方々にもご奉仕をいただいています。
『供饌』の調製については、最初の準備から後始末まで責任をもって実施されていますが、このなかで御供所支配人と呼ばれる役が一人選ばれ、支配人の指示によって行うことになっています。

13人の各役割は次の通りです。
粉をこねる者   1人
ダンゴをゆでる者 1人
臼を搗く者    4人
形をつくる者   6人
油で揚げる者   1人

準備
昭和15年・16年頃までは粳米(うるちまい)を四斗と糯米(もちごめ)を5升用意し、御供所神事のある3日前にその玄米を大きな臼にいれて周囲から6人が搗いて白米にしました。
これも社家の重要な責務でした。その際に歌う歌があります。

ホーイ ホイ やれ搗け ホイ
なか見て 底搗け ホーイ ホイ

と歌いながら搗いていました。

搗きあがるとそれをトウシにかけて白米と糠とに分ける作業をしました。これは社  翌日、村の老婦人5~6人が神社に集まり白米を大きな石臼で挽いて粉にしましたが、この作業もやはり1日かかっていました。現在は白米1斗5升を粉に挽いてもらい、糯米5升用意します。

供饌の調製
11月24日、午前8時に奉仕者が神社に集まり、餅つきの準備をします。お供えをつくる場所は神社の御供所と呼ばれる建物であります。
大きな鉄釜で糯米5升をセイロで蒸しますが、奉仕者は蒸しあがるまでに潔斎をします。
潔斎が終わると大きな木の臼で餅つきを行い、丸い小餅と餅マガリをつくります。つくり終わると食事をとりますが、ご飯と突大根のみであり御供所の行事が終了するまで何も食べることはできません。
奉仕者は神社の浄衣と前垂に着替えて御神前にて祓いを受けますが、その前に全員手洗いに行き用便を済ませておきます。
御供所に入ると、用便、タバコは一切禁止されます。途中で一度外に出た場合、二度と中に入ることは許されないといった厳しいしきたりがあります。

拝殿での祭典が終わると全員御供所へ移動します。宮司は火打ち石を用いて油の入っている鉄釜に火を入れます。

1、 直径1メートル位の半切桶に米の粉を入れて湯を注ぎ、米粉をこねて円盤状のダンゴをつくります。

2、 できたダンゴを3つぐらいに分け、竹の大ざるに入れて釜でゆでます。

3、 ゆで上がった米ダンゴを臼に入れ、4人で千搗棒という杵で搗きます。

4、 搗き終わるとちぎりまな板(1メートル×3メートル)の上に移し、小餅程度にちぎっていきます。

5、 まな板の両側には奉仕者6~7人が座り、小さなダンゴにします。まな板には油をひき、手にも油をぬって手のひらで叩き延ばしながら決められた形の御供をつくります。

6、 形ができた御供を5升ほどの油を入れた鉄釜に入れて揚げます。

以上の繰り返しで、奉仕します。

これらの餅2種類と油物3種類の御供を組み合わせると『人形(ヒトガタ)』になります。この御供は古代において祓の儀式等の供え物として使われました。

また新米で調製して神に感謝の誠を捧げるため、11月26日に斎行される秋祭りに神饌としてお供えし、当日お神楽の奉納をされた方々にも撤下しています。

御供の種類

小餅(こもち) 大きな木の臼で搗く餅
餅マガリ       〃
オオブト    油で揚げたもの
マガリ        〃
バイシ        〃

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